ニュートンのふたつの穴

ニュートンの話。
この偉大なる天才は、猫好きだったといいます。自宅にあった研究室には、誰も入れなかったが、猫だけは入れたとのこと。
猫は、フリーパスでニュートンの研究室に入り、ニャンゴロなどと泣いて、ニュートンの邪魔をする特権が付与されていたのでした。
ドアの下部には、猫一匹よりやや大きい穴が空いていました。ニュートンが下男に開けさせたものです。
やがて、その猫は子供を産みました。メス猫だったのですね。
ニュートンは、下男に命じました。
「子猫用に、大きい穴の隣に、小さい穴を開けなさい」。
お話はここからです。
ま、このエピソードは、僕らが大学時代からあって、当時誰かが「こんな話があるんだけどさ、としゃべったことがありました。
その時、この話は、ジョークだと僕らは思いました、全員。
イギリスだから、SENSE OF HUMORの類いかな、と。
「ニュートンはすごい頭脳の持ち主なんだけど、ま、間抜けなところもあるよね。それが人間っていうものさ!」
ところが、最近、若い人たちにこの話をしたら、違う反応が返ってきました。
「ニュートンはすごい頭脳の持ち主だから、猫の習性を見抜いていたはずです。だから、ふたつの通路をつくったんじゃないでしょうか」
僕らの時代と若い人の年の差は、おおよそ30年くらいでしょうか。
つまり、ワンジェネレーション(ひと世代)。
ニュートンの捉え方、そこの立ち位置が違うのです。そこが発見でした。
僕らは、「あのニュートンだって、アホなことをする」。
彼らは、「あのニュートンだから、アホなことをしない」。
つまり、ニュートンへの信頼度が180度異なるのです。
人間讃歌派、と、天才讃歌派。ま、やや強引に2項対立化すればそうなります。
さて。
あなたはどちら派でしょうか。