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おいしいアイデア


さて。思いつきが先か、マーケティングが先か。

GWのさなか、オアゾのなかの「丸善」へ。最上階のレストランで席に着くと、まず目についたのが、このメニュー。ふむふむ。なかなか、アイデアフル。書店の経営するレストランだからこその、コラボレーション企画です。

これって、企業が商品開発する時の「マーケティング発想」とは異なるなと思いました。市場調査や顧客動向調査やグルインやワークショップとかの科学的プロセスを経由してない、シンプルさを感じたわけです。

書店の棚を見ていたら、商品開発担当のX氏、あるいはX嬢が、「檸檬」の背表紙が目に入り、「これって、デザートにしたらいいかも!」とひらめいたのでは、と推測します。もちろん、その小説には丸善が登場する(しかもクライマックスに!)を知っていないといけません。そこがポイント中のポイント。

つまり、「教養」と「思いつき」のふたつがあれば、ステキな商品は生まれてくるのだな、と。「教養」と「知識」はちょっと違うもので、「教養」は中身で「知識」は外身、そんなイメージです、僕にとっては。

肉体と服の関係と言ってもいいです。あるいは、人間性そのものかもしれない。

会社員が請求書業務をたくさん経験しても、ビジネススキルは上がってゆきますが、人間としての深度は上がりません。

よくいますね、すごくビジネスマンとして、ばりばりと利益を上げているけど、つまらなーい人。話していて、自分の人間性にプラスになってゆかない感じの人。情報が会社に閉じてしまっていて、社会や人生の範疇に広がらない人。ま、自分も気をつけなくちゃ、と思うのですが。

今日の気付きは、「教養」って、そうとう大事なものということでした。ある局面では、科学的アプローチを超えてしまう正当性を持ちえます。もうひとつ、「教養」のある人は、「感受性」が強い、「感度」が高い、ですね。ついつい、忙しいと、ここらのアンテナ系が鈍感になってしまうので、注意が肝心です。

ちなみに、デザートの「檸檬」も、読後感ならぬ食後感がすばらしかったです。パティシエのストーリーテラーとしての力量を感じました。このレストランで有名な「早矢仕ライス」とともに看板メニューになってゆくことでしょう。

気になったのは、このメニューのデザイン。写真、レイアウトふくめて、です。もうちょっと「おいしそう」に創ってくださーい。丸善の「檸檬」のお話でした。


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