ルーティーンが、キーワード。


心をいつも一定に保つための、答えが見つかりました

 ラグビー日本代表、すごかったですね。ノッコンとスローフォワードはダメ、ていどのルールしかわからないのですが、十分、あの熱い闘いを堪能しました。

 私は実際にラグビーをやったことはありません。その昔、少年野球をしていました。ま、昭和の時代は、野球がスポーツの代名詞で、ガリ勉くんも悪ガキもおしなべて野球少年だったわけです。野球とラグビーの決定的違いは、肉体のぶつかり合いですね。野球は肉体の当たりを意図して避けるスポーツですから。とにかく、負傷しないだけでも、私などはエラい!エラすぎる!と拍手を送ってしまいます。

 この闘いを見ていて、いちばん印象的だったのは、やはり五郎丸(一発変換できましたよ)のキックでした。あの蹴る前の仕草です。

 身体の右の壁を意識する、チカラが外に逃げずに内側に向かうようにする、そのことを意識するための儀式だと、本人が言っていました。そして、その儀式を「ルーティーン」と呼ぶことも知りました。このルーティーン、なにかハッとさせられた言葉であり、その映像でした。

 五郎丸選手は、距離が遠かろうが近かろうが、正面だろうが右だろうが左だろうが、蹴るまでのステップの数・歩幅、ボールに対して体の入る角度を変えないのです。

 そんなの普通なのではと言うなかれ。たとえば、野球であれば、遠くに投げるときは、ステップを増やしますし、右に投げるときは、当然体を右向きにします。つまり、方向や距離により、「投げるまでの動作変化」が必然なのです。それを全くしないことに正直、驚きました。遠い距離であれば、当然、インパクトを強くしたいので、ステップを増やしたくなりますよね、それをしないのです。

 私たちは、ある事態に直面したとき、創意工夫をします。事態の種類によって、対応を変化させるわけです、そして、そのことが創造的なことである、と教わって来たし、社会常識化していることじゃないかと思うのです。ところが、どうでしょう。

あの見事なルーティーンは!

 ルーティーンワークなんて言うと、ちょっと機械的で、レベルの低い仕事と思われてもいます。そう、「誰でもできる定型」です。若い子が、もうルーティーンワークを卒業して、自由にやりたいです、僕にはその才能があります、なんて言ってりしますね。学校教育でも、個性を伸ばして、その人なりの「創造的」な部分を見つけようとしていますね。

 うーん、逆じゃないかと思ったわけです。ルーティーンには秘められた価値があるのではないか!と。

 五郎丸選手の練習は、キックの精度をあげるというよりは、ルーティーンの精度をあげることに終始します。つまり、どういうカタチをつくれば失敗が少なくなるかという、「定型の確立」を鍛錬しているのです。それは、日本の職人が、すべての作業を定型化し、すんぶん品質の違わない製品を生み出している。しかも、そうすることで、品質を高く保つこともかなえている。その事実を私に思い起こさせたのです。

朝、5時に起き、火を入れ、鉄をたたき、鍛える回数を決めている、刀鍛冶。たしか、月の動きにあわせて仕事をしている陶工もいたように思います。

 元イングランド代表のジョニー・ウィルキンソンは、五郎丸選手のルーティーンに強い影響を与えた名選手ですが、最近のインタビューで、「ルーティーンはセーフティネットだ」と言っていました、これにも驚きました。つまり、蹴るときの環境は一定ではない、試合展開、スタジアムの形状、風、雨、湿度、グランド状態・・・。しかし、はずせないという激しいプレッシャー。そのなかで、キックを成功に導くための「安全装置」がルーティーンだと言うのです。

 茶道にしても剣道にしても柔道にしても、日本人が「定型」を追い求めてきた意味が、初めてわかった気がしました。そして、そのことが「道」だったのです。

情報があふれ、体験が疑似化し、ネット社会が進展し、個が自由にものを言い、動くようになりましたが、ただカオスが深まるだけで、世界は本当に幸せな方向に行っているのか、と思うことがしばしばあります。

 「定型を確立する大切さ」。「中身はカタチからつくられる」。私たちは、その価値を忘れすぎているような気がします。そして、カタチを確立するまでの、きびしい道のりこそ、一流の芸でありスキルなのです。

 早速、私も、朝6時に起きて、午前中の4時間を50分間仕事&10分休憩の繰り返しで、ルーティーン化し始めました。そして、午後は仕事はしない、のもルールにしました。さて、どうなることやら。すぐに、カタチが崩れそうですが、ま、やってみましょう。


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