子供は勝手に夢を見る
親を超えさせるのが、親の仕事。
長女は、外国で働いています。
年に2回くらいしか、日本には戻ってきません。
それもかなりのショートステイ。
いろんな国へ、飛行機で飛び回っている彼女には、
もはや日本もワンオブゼムらしく「日本はしばらくいいなぁ(来なくても)」ということだそうです。
超・ドメスティックな人生の僕&妻から、なぜ、こんな娘が生まれたか。
その理由はまったくの不明。特別な教育はなーんにもしていません。
娘が勝手に育って、働き場所を日本ではなく世界に決めていました、いつのまにか。
英語が堪能なのだけれど、高校卒業まではふつうの受験英語をこなしていただけ。
大学時代、イギリスに留学したいと突然言い出し、10ヶ月ほどケンブリッジのカレッジに通いました(親は破産しそうになりました)。
ひどいホームシックにかかり、発狂しそうになったそうです。
決して、外向的な性格でもなく、どちらかといえば内向的な性格で、
外国人やその政府とビジネスで渡り合うという今が信じられません。
本当に。
娘に言わせると、中高大の10年間の英語力は、1年間の留学で身に付けることができる、グローバルな場所に身を置けば誰でもコミュニケーションが取れるようになるよ、
「10年間はほとんどムダ」だそう。
親の立場からすると、あれもやらせたい、これもやらせたい、と思い、
塾に行っても成績があがらないと悩み、変な友達づきあいはしていないかと勘ぐり、
そして、どんな職業や会社を選ぶのかと、不安かもしれませんが、
なんのことはない、16歳くらいからは、娘が自分で考えて進んで行きました。
振り返ると、小さい時から、12歳つまり小学校卒業のころから、
「考えるチカラをつけて自分で道を選んでゆきなさい」、と何度も言っていました。
パパやママはなんにもしない、勉強しろも、体を鍛えろも言わない。
もちろん相談にはのるよ、相談は気楽にね。
そんな子離れ親離れのスタンスが、娘を強くし、日本を飛び越えて世界で働く夢を育てたのかもしれない。と今は思うのです。
そう、最悪なのは、自分の価値観を子供に押し付けること。
DNA的には、子供は親のコピー。
子供がだめな部分は、実は自分がだめな部分のコピーなのです。
コピーなのに、親の意のままにしようと発想するのは、
完全コピーをひたすらつくっているだけです。
似たものなのだから、似たものにしないようにしないと、
親を超えて行かない。そもそもの話、つまらない、と思うのです。
だから、親の最大の役目は、
子供が自分で熟考して、「留学したい」「専門の教育を受けたい」
「資格をとりたい」と言ったとき、
その資金を出してあげることにつきます(笑)。
そのために、僕などは必死に働いたようなものです。
ちなみに、もうひとりの娘も、突然、美大へ行きたいと宣言し、
高校2年間から美術予備校に通い、浪人の果てに(予備校3年!学費かかりました!)、
美大に入学。今は、「これからはWEBデザイン!!だよ」と言って、働いております。
しかし、次に生まれることがあって、また日本人だとしたら、僕も海外で働きたいなぁ、と思います。単純に、そのほうが面白いですもんね。
夏至の日の、ことば℃でした。